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高気密・高断熱の家は魔法瓶やクーラーボックスの家に例えられます。ここに、26℃の保冷材とも言える基礎コンクリートが入っているとしたら中はひんやりしてかなり住み心地がよさそうですね(逆に冬の場合でいうと、1 5℃~1 7℃の保温剤ともいえる基礎コンクリートが入っているのです)。基礎を外断熱して「地熱を活用」する方法は冬だけでなく、夏も期待できます。基礎外断熱の効果-春と秋の場合 ここまで、基礎を外断熱することによる「地熱の活用」について、冬と夏の場合の効用についてふれました。では、さほど寒くない、暑くない春や秋の場合はどうでしょうか? 実は、春や秋の「住み心地」にも高い効用が見られることが報告されています。18ページの表における「『寒暖差』が原因の不満」を思い出して-ださい。「三寒四温の朝夕の急激な温度差で体調を崩しやすい」という項目がありました。そもそも人間は、急激な温度変化が苦手で体がついていかず、春や秋に体調を崩すことが多いのです。一般に個人の一戸建住宅は蓄熱容量が小さいので、外気の温度が大きく変化するとそれにつれて室温も大き-変化してしまいます。これに対し、基礎コンクリートを外断熟した建物の場合、断熱空間の中に蓄熱容量の大きいコンクリートが入っているおかげで、急激な温度変化を避けることができるのです。一日中、温度変化の小さい穏やかな空間にすることが可能になるので体調を崩すことな-過ごすことができます。このような住宅性能こそ健康住宅に求められるべきではないでしょうか。夏暑くなる家を回避せよ「高断熱」の性能を誼う住宅が多-なっています。冬を過ごすのには快適ですが、実は夏は熱をためやすい性質が災いして暑-な-(熟ごもり)、エアコンで冷やすしかないというデメリットがありますので、これをなんとかしなければな-ません。一般的工法の住宅の壁の構造を模型で示してみます。図7の「アウターサーキット」とは、断熱材と外装材の間の通気層のことです。「サーキット」とは、電気の回路に見るようなク回路″を意味します(図7)。 図7は住宅の壁の断面です。手前が外壁材、一番奥が内装材のプラスターボード(石膏ボード)です。建築する順番はまず柱の外側に構造用合板を張り、その上に外壁材を取-付ける手がかりとなる胴縁を縦に打ちます。縦胴縁の上に仕上げの外壁材を張るわけです。 夏場、外壁材表面はかな-の高温(50℃~60℃)になります。外壁材を通-抜けた熱は、外壁材と構造材との間(図7のアウターサーキット) に入ります。このアウターサーキットに入った熱気は、自然に上昇して屋根部分から外部に排出されます。縦に胴縁を打つことが重要なのは、熱気を効率的に外部に排出するためです。これについては意外に無頓着な会社が多く、アウターサーキットの通気が生かされていない家も多いのが現状です。 この図7のようにもっとも多く建てられている一般的な住宅は、柱と柱との間に断熱材(グラスウール等)を充填します。この断熱工法を「充填断熱」といいます。 断熱材は夏には遮熱材の役割を果たします。この断熱材(遮熟材)が室内に熱が侵入してくることを防ぐのですが、どんな高性能の断熱材(遮熟材) であっても、熱抵抗が大きいというだけであって熱をすべて遮断してくれるわけではありません。(図7)通常の在来工法(空気の流れは一つだけ) 断熱材を通り抜けた熱は、室内に入ってしまうことになります。特に一般に「高断熱」と呼ばれる工法は、熱をため込むことが上手なので冬は暖かくてよいのですが、夏は熱をため込んでしまって室内は暑くな-ます。断熱性(遮熱性)を高めることは、夏暑-ならない家にするひとつの方法ですが、それだけでは不十分のようです。「クーラー(エアコン) の効率のよい住宅」よりも「なるべくクーラーを使わずに快適に過ごすことができる住宅」 であるかどうか-が健康的に過ごすポイント。その観点からみると、断熱材(遮熱材)を抜けて-る熱を室内に入れず、排出させる仕組みが住宅には必要になると言えるでしょう。住宅のスッピン性能は自然室温に出る空調を行わない状態の室内の温度のことを「自然室温」といいます。まったく空調をかけていない状態で真夏や真冬の自然室温を体験すれば、その家の持つ本来の断熱・気密性能を知ることができます。いわば、住宅のスッピン性能です。 冬なら暖房を切った時、夏ならクーラーを切った時を想像してください。その室温があなたの家のスッピン性能です。一年を通して快適な自然室温が続く家をつくることができれば、空調に頼ることが最小限ですむ、体にやさしく省エネでもある「住み心地」 の良い家になります。 空調を行う季節、冬と夏の自然室温のデータがあります。普通なら暖房が必要な冬と、クーラーが必要な夏に、空調を切って一日の室温を迫いました(図8)。冬の自然室温-暖房を切った翌朝は? 冬のデータ(図8上)は暖房を切って2日目です。この家は、熟をため込む高気密・高断熱住宅なので、暖房を切ってから2-3日経過しないと完全な自然室温になりません。いちばん寒い時期に暖房を切って経過をみた連続グラフ(図9)を見ても暖房を切って丸1日経った1 6日の-階平均室温はt>.-℃で1℃しか下がっていません。3日間かけて徐々に室温は低下していき、最終的に基礎平均温度2・-t℃に近い-階平均室温"・00℃になっています。それでも外気温より平均して6・3℃ほど高いのです。 図8上のグラフの12月14日の外気の最低気温は7・8℃。それに比べて、暖房をしていないのに室内の平均気温。あなたの家で暖房を切った次の日はどのくらい寒いでしょうか? 普通は次の日を待たないまでも、暖房の効果はすぐに失われて冷たい外気温と同じような寒さになっているのではないでしょうか? この家では、基礎の温度は外気温の変化に影響されず、終日r-H*0℃前後を維持しています。冬の自然室温(暖房をしていない室温)がこのようにさほど寒-なければ、暖房は少な-てすむ省エネ住宅とな-ます。 このデータから読み取れるのは、次の2点です。 ①外気の寒暖の影響が少なく、室温は一日中安定している ②地熱を受ける基礎はほとんど温度変化せず、外気よりも高い温度を保っている 基礎における地中熱の恩恵を受けて、室温も基礎の温度以下にはなりません。したがって、冬場の外気のように温度が下がらないのです。夏の自然室温-地中から伝わる「ひんやり感」 冬の場合と同じように、図8下は夏のクーラーをしていない日の温度変化です。窓のカーテンは閉めて、掃き出し窓の4か所に遮熟スクリーンを使用しています。7月7日の初夏の最高気温が暑い日、冷房をしていないのに1階の室温は℃です。 この日に関して言えば外よ-6℃も低いので、暑いさなかに家に入ると「あれ、涼しい?」とさえ感じます。そして、さらに暑-なる真夏でも、クーラーを使うとしても少しですみ、快適で省エネな家となります。 いちばんひんやりしているのが基礎です。基礎の温度は終日24℃前後を維持しています。1階がひんやりしている理由の一つが基礎コンクリートのひんやり感です。 いちばん暑くなりそうな小屋裏の温度はどうでしょう? 外気温に遅れて温度上昇が起こることがわか-ます。外気温が最高気温に達した時点では℃。小屋裏の一日の温度変化。通常は40℃~5 0℃にもなる小屋裏の温度としては驚きです。
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